適応障害とは
何らかの環境の変化・ある特定の状況や出来事がストレスとなり、そのことがその人にとってとてもつらく感じられ、情緒面や行動面に症状が現れ、社会的機能が著しく侵害されている状態をいいます。
要因には引っ越し・結婚・出産・就職・転職・異動・仕事のトラブル・パワーハラスメント・災害など、いつおこるかわからない環境の変化の中にみられます。
ある人にとってはあまりストレスに感じないことも、その人にとっては過剰に反応してしまうなど、個人のストレスに対する感じ方や耐性も大きな影響を及ぼします。
適応障害ではストレス因から離れると症状が改善することが多くみられます。
相談できる相手や支援してくれる人がいなかったり、周囲からのサポートが得られにくい孤立した環境の方は適応障害になりやすい傾向があります。
そのような状態が続くと、うつ病になり悪化する場合もあるので注意が必要です。
主な症状
情緒的症状として
- 不安、抑うつ、喪失感、絶望感、恐怖感、過敏、混乱、声をあらげる、突然泣き出す
身体的症状として
- 動悸、ふるえ、痙攣、めまい、頭痛、肩こり、吐き気、倦怠感、発汗、不眠、発熱、摂食障害
行動的症状として
- 過剰飲酒、喧嘩早くなる、規則違反、ひきこもり、無断欠席、遅刻、虚偽の発言、着衣の乱れ、ギャンブル中毒
治療方法
ストレス因に対して本人がどのような受け止め方をしているのか、そのパターンに対してアプローチしていく「認知行動療法」、現在抱えている問題と症状にスポットを当てて解決方法を見出していく「問題解決療法」、情緒面や行動面での症状に対しては「薬物療法」を行います。ただし、適応障害の薬物療法は各症状に対しての対症療法になりますので、根本的な治療ではありません。
発症の原因となった社会的ストレス因子をなくす・軽減することが肝心です。
適度の休養をとったり気分転換を心がけたり、日頃からストレスをためないような生活をする工夫が大切です。
ストレス因に対しての本人の適応力を高めることも重要です。